2008年6月17日火曜日

おおきく振りかぶって

『おおきく振りかぶって』(おおきくふりかぶって)は、月刊アフタヌーンにて2003年より連載中のひぐちアサ作の野球漫画。およびそれを原作としたテレビアニメ作品、ゲーム作品。テレビアニメは2007年4月よりTBS・毎日放送 (MBS)他にて放送開始。TBSでは同年9月、それ以外は同年10月に放送終了。

2006年第10回手塚治虫文化賞「新生賞」受賞。2007年第31回講談社漫画賞一般部門受賞。文化庁メディア芸術祭10周年記念企画「日本のメディア芸術100選」マンガ部門に選出。

公立高校の新設硬式野球部を舞台に、甲子園優勝を目指す主人公たちの成長を描く。

新入生ばかり10人の無名の野球部が甲子園を目指すという王道を受け継ぐ筋書きながら、 斬新な表現方法により「全く新しいタイプの野球漫画」「描き尽くされたと思われていた野球漫画に新風を吹き込んだ」と評価される。

主人公である投手の弱気で卑屈といったこれまでの野球漫画の主人公においてまず考えられない性格や、メンタルトレーニングなどのスポーツ心理学に焦点をあてていること、ライバル含む各選手の感情の起伏などといったメンタル面に比重を置き表情豊かで繊細な心理描写が見られること、父母会・家庭・応援団の描写や高校の部活動としての日常描写にも試合同様に多くのページが割かれることなどが大きな特徴。

試合描写は、論理的と評されることが多い。一球ごとの細かな読み合いによる心理戦が展開される。主要な試合では途中のイニングを飛ばして描写されることもなく、ほぼすべての打席の結果が分かるのも特徴。配球も詳しく描かれている。

単行本のおまけにはルール解説や実際に高校野球に関する取材をしなければ分からないだろうエピソードなども含まれており、高校野球に関心の薄かった層にも取り付きやすく、年齢性別を問わない広い層に人気がある。

舞台となっている埼玉県立西浦高校[1]は、作者のひぐちアサの母校である埼玉県立浦和西高等学校[2]がモデルで、作中に登場する駅や球場はほぼ現実のものに基づいている。軟式野球部から硬式野球部に変わったことや、グラウンドの風景なども実物にかなり忠実に再現されている。作者自身も頻繁に母校の野球部を訪れ、練習などを長期取材している。ちなみに作品中の部員の掛け声「西浦ーぜ!」も母校の掛け声を、学校名だけ変えて使っている。

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