2008年6月17日火曜日

怪盗セイント・テール

『怪盗セイント・テール』(かいとうセイント・テール)は、立川恵による少女漫画作品。「なかよし」(講談社)掲載。単行本全7巻。またそれを原作として製作されたテレビアニメをはじめとする各種メディア作品のメインタイトル。

当初は数話の短期連載だったが、好評だったため、1995年から1996年にかけて長期連載された。立川恵の代表作であり、「マジシャン怪盗(義賊)とそれを追う探偵の関係」と「恋愛」とを巧妙に組み合わせた、この時期の「なかよし」が送り出した傑作の一つ。

連載期間は、1994年10月号から1995年1月号まで短期と、1995年3月号から1996年12月号まで長期。人気を博し、立川恵の出世作となる。うち11月号・12月号は番外編ストーリーを収録しているため、本編の連載終了は1996年10月号。コミックス7巻目には番外ストーリーを収録している。作者は影響を受けた作品として『ルパン三世』『キャッツ♥アイ』『魔法のスターマジカルエミ』を挙げている。

各国語に翻訳出版され、日本国外でも人気を博した。特に韓国では『천사소녀 네티(天使少女 ネティ)』名でのアニメ放映もされた。他の翻訳出版地域は、北米域・台湾・香港・シンガポール・タイなど。

テレビアニメは1995年10月12日から1996年9月12日までテレビ朝日/ABC系の19:30~20:00の時間帯で全国放映(広島ホームテレビはプロ野球広島東洋カープ戦中継のため一部は後日遅れネット)され、ポリグラムよりVHSビデオ及びLDがセルビデオ14巻、レンタルビデオ・セルディスク11巻で発売された。また2004年にはバンダイビジュアルより、2008年にはタキコーポレーションより、それぞれDVD-BOXが全2パック発売された。2006年9月より動画配信サイト『@nifty東京ムービーONLINE』にて配信がスタート。全43話。

同作品を原作にセガ主催のファミリーミュージカルが製作され、全国30ヶ所で公演された。またトミー(現・タカラトミー)からセガサターン用、セガからゲームギア用ゲームが発売された。これらの事から解るように、当時のセガグループによる最大のプッシュによって商業戦略が敷かれた作品としても知られる。

が、アニメ化の際に製作側が魔女っ子怪盗ものとして作り、変身アイテム等の追加がなされたために原作とアニメでは微妙にテイストが違い、アニメ作品に限って評価する場合には現在においてもファンの間で評価が割れている。

なお、朝日放送は本作を最後にゴールデンタイムのアニメ放送から撤退。さらにバラエティを含めた日曜19時枠、アニメの木曜19時30分枠と合わせてトータルで21年半続いた朝日放送制作枠が消滅。1996年10月以降からテレビ朝日制作となり、2008年現在、『いきなり!黄金伝説。』を放送中。初の自社制作深夜アニメとなる『ガラスの艦隊』まで約10年間、日曜8時30分枠以外でのキー局アニメの放送はなかった。

これらの事情のため、アニメファンの間においても非常に評価の割れる作品で「朝日放送のゴールデンアニメ枠に終止符を打った作品」として低評価を下す者がいる一方で「当時のアニメファンの先鋭的感覚によって不当な評価を下されている作品であり、少女漫画・魔法少女アニメとしては一級品」として高い評価を付与する者も存在している。前者の評価は主に1990年代当時にアニメファンの中核を成していた層によって語られる。また後者の評価は魔法少女ものを専門としているアニメファンや当時リアルタイムで当作の視聴対象年齢層であったファンによって与えられる場合が多い。そのため、この論争に関しての結論は一筋縄ではいかないものとなっている。

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