2008年6月17日火曜日

ふたりはプリキュア

ABC日曜朝アニメ枠のスタッフを大幅に一新、従来の女児向けアニメの方法論にこだわらない斬新な設定・構成が話題を呼び、本来のターゲット層である女児にとどまらず、広い層に人気を集め大ヒット作となった。

おもに幼稚園から小学校中学年までの女児を対象とした作品であるが、戦闘の描写には、いわゆる魔法のステッキから出る光線などは使われず、男児向けのヒーロー物に見られるような徒手格闘技による肉弾戦を展開する手法をとった。格闘シーンの完成度は高い。玩具として商品展開されるアイテム群が劇中では直接的な武器としては使用されないほか、『美少女戦士セーラームーン』における「タキシード仮面」のような男性の助っ人が存在しないなど従来の同種作品と異なった試みがなされた。なかでも、従来の同ジャンル作品と大きく異なり、添え物程度に過ぎなかった戦闘シーンをメインとし、本来この手の作品のメインテーマである恋愛の要素を抑える(特にこの作品においては恋愛パートは日常パートより小さい扱いとなっている)やり方はこの分野にとって、新機軸とも言える画期的手法であった。そして主役2人の少女のイメージカラーを女児に人気の「桃」や「黄」にせず、「黒・白」にしたことも斬新な試みである。

シリーズディレクターにはダイナミックな格闘描写で定評のある西尾大介を起用した。

初期は物語の展開が速く、26話で大ボス的存在を倒してしまったため、ファンの間では「半年で終わる予定で作っていたのでは?」とよく言われるが、これは誤解であり、人気が低迷した場合、第2クール(27話 - )から違和感なく路線変更出来るよう、全体の半分で一度区切りがつくように作られており、一年放送なのは当初から決定事項であった(企画書の段階でたいていの一年の流れが記されていた他、西尾監督もムックでこのことを語っている)。26話までは第1部、27話からは第2部と解釈できる。

「50億円売れれば大成功」と言われる女児向け玩具市場において、100億円以上のバンダイの玩具によるキャラクター収入を打ち出し(2年目は120億円以上を記録)、玩具業界の常識を覆した。バンダイの女児向けキャラクターとしてはアニメ版『美少女戦士セーラームーン』以来の収入記録である。1年目の主力アイテムである「カードコミューン」と「プリティコミューン」は、それぞれ60万個以上と 20万個以上を販売して2004年の玩具売上1位2位を独占し[1]、2年目の「ハートフルコミューン」も62万個以上を販売し2005年玩具売上1位を達成し「タッチコミューン」は37万個以上を販売した[2][3]。視聴率においても、1年目平均7.3%・2年目平均7.9%と、前作『明日のナージャ』(平均6.8%)からも上昇し、なかでもターゲット層視聴率(4 - 6歳)では60%以上という高い数字を記録し、「女の子で知らない者はいない」と言われる大人気を博した。

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