2008年6月17日火曜日

魔法先生ネギま!

『魔法先生ネギま!』のアニメ化は早い段階で発表されており、2004年中に行われたイベントにおいてパイロット版が上映されるなどしていた(パイロット版はCD「学園生活を快適にすごすシリーズ」にDVDで収録)。ただし、パイロット版で監督を務めていた錦織博に代わり、テレビアニメ本編では宮崎なぎさが監督となった。

しかし、放送開始後、シリーズ序盤から作画品質の低下が顕著に見られる様になる。これについては大月俊倫のプロデュース作品群にまま見受けられる、スケジュールの逼迫が大きな要因として挙げられている。出来の酷さは制作体制の不備や混乱が素人目にすら見て取れるほどのもので、原作者という立場上悪く言えないはずの赤松健をして、自身のホームページの日記において指摘せざるを得ない有様にまでなっていた。視聴した原作ファンのアニメ作品への批判も厳しく、また、原作ファンからはそもそも宮崎なぎさやXEBECの作風そのものが本作には向いていなかったのではないかとして、彼らにこの作品を担当させたスターチャイルド、特に大月への批判がインターネット上では噴出した。

第1クール(13話)終了時点で宮崎監督が降板(事実上の更迭)。スターチャイルド側でも大月が本作企画より降板。以降、制作指揮は羽原信義をプロダクションディレクター(18話以降はチーフディレクター、いずれも事実上の監督職)として据え、色彩設定に代わり「色彩プラン」のスタッフを据えるという大鉈が振るわれ(色彩設定のスタッフは色彩設計に異動)、シリーズ後半に至ってようやく「本スタッフ」による制作体制がスタートした。

この立て直しが奏功し作画の乱れは多少改善されたものの、物語が佳境に入った22話以降、今度はコミックとは設定が大きく異なるオリジナルシナリオに突入。原作が未完である以上、結末に多少の独自性が発生するのは仕方がない面もあるが、この場合はかなり趣向の異なったシナリオになっており原作ファンからの支持が得られたとは言い難い。アニメから入ったものからも「演出過剰」として好意的な意見はあまりなかった。

また、カシオペアと世界樹がもたらす影響、超鈴音の生い立ちといった謎の数々を、原作よりも先取りして公開していた。

以上のことが、『爆れつハンター』以来続いたキングレコードとXEBECの蜜月関係を一時期凍結化させる遠因になったとされる[1]。

結果的には、アニメ作品としては成功とは言い難い、むしろ失敗とも捉えかねないものだったが、興行的には、「ハッピー☆マテリアル」をはじめとするCDや、DVD、グッズ、単行本などの売上が好調で、少なからずともアニメ化の影響が追い風となった事もあり、翌年、アニメ製作会社を変更してOVAが製作される事となった。

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