2008年6月17日火曜日

悪魔くん

『悪魔くん』(あくまくん)は水木しげる著の漫画および、それを原作として作成された特撮テレビドラマ、テレビアニメ。あるいは、これらの作品の主人公の名。

本作品は、特撮やアニメなどの派生作品だけでなく、それらの元となる水木しげるの漫画が3種類存在している。そして、これらの漫画作品は内容が異なっており、2つに大別できる。すなわち、救世主(メシヤ)悪魔くんについての物語と、妖怪を退治するヒーロー悪魔くんの物語との2つである。後者は主人公、基本的設定の違いから更に2つに別れ、計3種類の悪魔くんに分類できる。なお、漫画以外の派生作品は後者2つに属する。

全ての漫画『悪魔くん』で共通する点は以下のようなものであった。

* 主人公は一万年に一人という天才児で、「悪魔くん」と呼ばれている。
* 悪魔くんは全人類が幸せに生きられる世界を築こうとしており、それには悪魔の力が必要と考えている。
* 物語の始まりでは、まだ悪魔くんは悪魔の召喚に成功しておらず、懸命に魔術の研究と実験を繰り返している。しかし伝説的魔術師ファウスト博士が現れて悪魔くんに秘儀を授け、ついに悪魔を呼び出すことに成功する。
* さらに、ファウスト博士は悪魔くんに「ソロモンの笛」を与える。これは悪魔を従わせる力をもつ笛で、ソロモン王が使ったというものであった。
* 悪魔を呼び出す時は、魔法円を前に「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり」(実在の魔道書『黒い雌鳥』からの引用)と呪文を唱える。

他の点は、各作品ごとに異なっていた。

漫画はまず1963年に貸本劇画として発表され、その後1966年~1967年の間「週刊少年マガジン」などに連載。2006年現在、「悪魔くん(悪魔くん 千年王国)」、「悪魔くん」、「最新版悪魔くん」と主人公の異なる三種類のシリーズに大別される。詳しくは後述。

特撮ドラマは1966年(昭和41年)10月6日から1967年(昭和42年)3月30日までNET系で毎週木曜日19:00 - 19:30に全26話が放送された。プロデューサー平山亨は当初貸し本版を原作に製作しようと企画したが、内容的に通らず水木の元へ行くと少年マガジンで新たに連載する原稿を見て、マガジン版を原作に製作する事が決定した。各話プロットなどに水木自身が参加しているという。後の仮面ライダーなどの東映特撮作品の原点となった。東映製作。モノクロ。

1986年9月15日にフジテレビの月曜ドラマランド枠で単発のドラマとして放送された。このドラマも1966年版同様平山の企画によるものだった。浦沢義雄が脚本を手がけたため、不思議コメディ(後の美少女戦士路線あたり)のノリを持った作品になった。東映製作。

日本テレビでも、大泉洋がメフィスト役、共演が蒼井優で、2008年4月から連続テレビドラマ化する企画が検討されていたと言われている[1]。

アニメ版は1989年4月15日から1990年3月24日までテレビ朝日系で全42話が放送された。アニメ版には千年王国や世紀末大戦、少年マガジン版のキャラクターやエピソードも登場、実写版のプロットが流用された話もあり、ある意味総決算ともいえるものであった。特に千年王国版の悪魔ベルゼブブと世紀末大戦(貸し本版)の悪魔ロソンの競演ばかりか、貸し本版で名前のみ登場した東方の三賢人まで登場した。東映動画(現・東映アニメーション)製作。

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