赤毛のアン
L・M・モンゴメリの『赤毛のアン』を原作としている。翻訳は数多いが、本作の底本は1973年の神山妙子訳(旺文社文庫、新学社文庫。旺文社文庫版は絶版入手困難。新学社文庫版は中学生用図書教材であり、一般書店では流通しておらず、最寄りの新学社教材取扱店が注文を受けてくれれば個人でも現在入手可)である。制作当時、もっとも原書に忠実な完訳であったことから選ばれた。
* モンゴメリの原作を、忠実に、そのまま映像化した作品として高い評価を受けている(アニメオリジナルのエピソードは第25、38話のみ)。但し、世界名作劇場の中では黒田昌郎演出の『フランダースの犬』がテレビ特番などでクローズアップされることが多く、本作品が取り上げられることが少ないと惜しむファンもいる。しかし、シリーズ作品を紹介しているカタログ等では、「最高傑作」と称賛の呼び声も高い。
* 高畑勲が演出(監督)宮崎駿が作画スタッフ、としてクレジットに名を連ねた最後の作品となった。
* 第33話での、アンが食べたリンゴを毒入りだと信じて遺書を書くエピソードは、同じモンゴメリーの「エミリー」シリーズ(三部作)第一作である "Emily of New Moon"(新潮文庫『可愛いエミリー』村岡花子訳、偕成社文庫『エミリー』神鳥統夫訳)から取られている。エミリーのエピソードをアンに置き換えたものである。
* 主人公アンを演じた山田栄子は、この作品でアニメ声優としてデビュー(洋画の吹き替え声優として既にデビュー)している。
* アンと同級生達は物語後期で思春期(あるいは青年期の初期)に差し掛かるためか、容姿が一気に成長したかの如き変化を見せている。後年の「私のあしながおじさん」でも同様の例があるが、シリーズでは珍しい事例と思われる。
* 作画が安定している名作シリーズにしてはスケジュールが厳しかったのか、時々マリラがコマ送りで移動するなど動画の乱れが存在する。(特に23話が顕著)
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